平成21年度関西学生リーグ戦 展望

 西日本大会の中止、インカレの大阪開催と異例ずくめの2009年。全チームにインカレ出場のチャンスを与える開催枠を巡ってのチャレンジマッチ開催も相まって例年以上に熱い戦いが繰り広げられるであろう。春の関西学生以来4か月ぶりの公式戦となる今リーグ戦で関西の頂に君臨するのは果たしてどのチームか。

 関西において圧倒的な強さを誇る天理大学。世界レベルのバスケットを経験してさらなる進化を遂げた根来(4年・岸和田高)、持ち前の高さとバネでゴール下の制空権を支配するサンバ(3年・明徳義塾高)が居並ぶインサイド陣は難攻不落。アウトサイドではシュート力とスピードを武器とする吉田(3年・普天間高)、広い視野で自在にアシストを繰り出す平尾(2年・明徳義塾高)、高確率で3Pを沈める清水(2年・川内高)など身体能力が高く、将来性のある若い力が躍動する。主将・清水(4年・川内高)も怪我から復帰し、より高いレベルでの安定感をチームにもたらす。伝統のセットプレイを駆使する個性派軍団の勢いは増すばかり。インカレを見据えて狙う最強の称号は誰にも譲れない。

 昨年のリーグ準優勝、インカレベスト8の大躍進も記憶に新しい同志社大学。司令塔は関西学生にてトリプルダブルを記録するなど圧倒的なバスケットセンスを持つ井関(3年・洛南高)。堅実かつ正確に仕事をこなす田中(4年・豊浦高)、成長著しい植村(2年・畝傍高)という高い機動力を誇るセンター陣にはどのチームも苦しめられるであろう。また、オールラウンドなプレイで貢献する内藤(3年・新潟商業高)、両ウイングからシュートを射抜く坂根(3年・豊浦高)、濱名(2年・大麻高)も常にチームを奮い立たせる不可欠な存在である。チーム一丸となって優勝を獲りにいく同志社大学を止めることは出来ない。

 立命館大学のキープレイヤーはクロスオーバーで敵を翻弄し、タフショットも難なく沈める田中(4年・佐賀北高)といかなる時もブレない3Pを得意とする西原(3年・大商学園高)である。2人でチームの1/2以上の得点を稼ぐ光景はまさに圧巻。さらに勝負所での3Pに定評のある野田(4年・東住吉工業高)、身長を補って余りある桁外れのパワーを持つ津本(4年・光泉高)、ハードなプレイでチームに勢いをもたらす上妻(3年・大津高)などサポートキャストもタレント揃い。要所で見せるゾーンディフェンスの完成度は上昇の一途をたどっている。昨年果たせなかった関西制覇を狙う立命館大学の戦いから目が離せない。

 京都産業大学は攻守で獅子奮迅の活躍を見せる田代(4年・東住吉工業高)がチームの軸である。昨年ルーキーらしからぬ落ち着いたプレイで関西を席巻した熊谷(2年・大分舞鶴高)のスピードは今年も健在。合瀬(2年・聖和学園高)も得意の3Pで効果的な働きを見せる。フロントコート陣の安定感はかなりのもので、巧みなインサイドワークと堅実なシュート力を持つ吉田(4年・鳥羽高)に加えて、勝敗の鍵を握るのは待望の完全復活を果たした菊地(4年・仙台高)。リバウンドやルーズボールなどの泥臭いプレイで流れを掴み、お馴染みの速い展開に持ち込むことが出来れば必然的に優勝も見えてくるはずだ。

 関西大学はキレのあるドライブに3Pにと得点を量産する月本(3年・市立尼崎高)、得意の長距離砲でチームを勢いづける濱田(4年・市立尼崎高)、正確無比なシュートを放つ香川(4年・善通寺第一高)など得点力のある選手を多数擁する。パワフルなインサイドプレイが特徴の稲葉(3年・安城学園高)、大柄ながら器用なプレイで得点する竹内(4年・初芝橋本高)に加え、ジャンプ力を活かしたリバウンドとブロックが魅力の吉田(4年・鳥羽高)の爆発次第で勝利はさらに近いものとなる。速いボール運びから得点機会を創りだす竹本(3年・洛南高)を中心とした激しいディフェンスを繰り広げ、2年連続のインカレ出場なるか。

 能力の高い選手を数多くそろえる関西学院大学。キャプテンとしてチームを纏める石橋(4年・初芝橋本高)、堅実なプレイでインサイドを死守する今田(4年・東山高)、要所での3Pが冴え渡る稲垣(3年・東山高)、スピード感溢れるカットインが得意の橋本(3年・関西学院高)、ガッツ溢れるプレイでチームを奮い立たせる宇部(3年・光泉高)など昨年からの主力が依然として猛威を奮っている。加えて、強気なゲームメイクでチームをコントロールする川嶋(1年・東山高)が得点にアシストにと抜群の存在感を放つ。完璧なチームケミストリーが構築されれば上位入賞を狙える力を秘めているだけに期待は高まる一方だ。

 高い実力がありながら未だリーグ優勝を経験していない大阪産業大学。力強いリバウンドから3Pまで幅広いプレイが持ち味の有波(4年・恵庭南高)、どこからでも得点出来るスコアラーに成長した松永(4年・東住吉工業高)、長いリーチを活かして攻守で奮闘する竹内(4年・片桐高)らを巧みに統率する山口(4年・金沢高)の攻撃的なプレイがチームを勝利に導く。得意の1on1だけでなく、優れた身体能力を活かしたブロックショットで得点を許さない古川(2年・東山高)、確実に外角からシュートを沈める今井(4年・柏崎総合高)の活躍にも注目したい。例年通り執拗なディフェンスで相手を抑え、走り勝つバスケットボールで関西制覇に挑む。

 昨年の入替え戦に勝利し、再び1部復帰を果たした大阪商業大学。堅実かつパワフルな五百木(3年・新田高)とコントロール能力に長けた尾上(3年・四条畷北高)のゲームメイクから、優れた身体能力で果敢にゴールにアタックする俊野(4年・新田高)と2年生ながらチームの中心を担う道原(2年・神戸科学技術高)の爆発的なオフェンス力を軸に得点を重ねていく。また、持ち前のパワーでディフェンスをものともしない中嶋(3年・大商学園高)、ペリメーター周りで無類の強さを発揮する信木(4年・大商学園高)が積極的にリバウンドに絡む。相手のミスを誘発する持ち前の激しいオールコートプレスを武器に1部リーグをかき乱し、上位進出を目論む。


下部リーグ

2部リーグ

 関西学生において4チームがベスト8入りを果たすなど、1部のチームに勝るとも劣らない過去最強の2部リーグ。高確率の3Pシュートと闘志溢れるドライブを武器にチームを牽引する藤井など、有力選手を抱え関西学生で準優勝を果たした近畿大学を筆頭に、抜群の得点力を持つ百々率いる甲南大学、濱中と平岡を中心にスピーディーな試合を展開する大阪学院大学など強豪が揃う。激戦必至の2部リーグを制覇するのはどのチームか。
 甲南大学は関西屈指のオフェンス力を誇り、チームの大黒柱である百々(4年・高松商業高)に注目したい。また、大型PG谷(3年・川西緑台高)の得点力と中村(3年・名古屋高)の激しいデイフェンスには苦戦を強いられるであろう。チームとして高さはないが、チーム力と持ち前の機動力を生かし上位を目指す。
 今期、未だにその実力を発揮しきれていない大阪体育大学。ガード陣にはシューター加口(御影工業高・4年)、スピードスター池原(北中城高・3年)、安定したゲームメイクが持ち味の里沖(初芝橋本高・4年)らが揃う。また、左利きを生かした器用なプレイで得点を重ねる坂本(初芝橋本高・4年)、新人ながら驚異的な跳躍でリバウンドを量産する今村(東山高・1年)らが攻防の要となる。好不調の波の激しさを払拭し、体育大学の名に懸けて1部復帰を目指す。
 神戸大学は昨年度からメンバーが変わり、今期は苦しい戦いが続いている。アウトサイドシュートやドライブインなどでオフェンスを牽引する中西(桐蔭高・4年)、入り出したら止まらないシューター落合(出雲高・2年)、チーム随一のリバウンド力でゴール下の得点源となる中山(宝塚北高・4年)らがチームの攻防を支える。 絶対的エースがいない中、チーム力を活かし強豪を相手にどのような試合を見せるのか期待したい。
 近畿大学はスコアラーの市橋(4年・徳島商業高)や藤井(4年・出雲北陵高)の3Pシュートなどアウトサイド陣は爆発的な得点能力をほこり一度入りはじめたら止められない。また、インサイド陣は新人の楊(1年・飛龍高)が攻守共に鍵を握る。内外のバランスの良い攻めで得点を量産する。
 大阪学院大学は激しいデイフェンスからの速攻を得意とする。チームの得点源で攻防の鍵を握る平岡(3年・金沢高)、また長いリーチを活かしデイフェンスでチームを引っ張る仲野(4年・片桐高)、ゴール下ではオールラウンドな活躍をする濱中(4年・金沢高)が力強いリバウンドを見せる。また関西選手権で新人王に輝いた石原(1年・興誠高)の得点力にも期待したい。チームとして高さはないものの走るバスケットで上位を狙う。
 素早いフォームから放たれる3P、鋭いドライブからのアシストなどあらゆるプレイをこなす香川(広島商業高・4年)がオフェンスの中心になる流通科学大学。そこに加えて、リバウンドや力強いインサイドプレイからの得点などでゴール下を支える池本(三本松高・3年)、遠野(恵庭南高・4年)はミドルレンジのジャンプシュートに絶対の自信を持つ。3人でチームの得点の大半を占めるため、リーグを通して彼らのプレイがチームの命運を左右する。
 今年の関西学生で4位と勢いづく大阪経済大学。抜群の得点感覚にトリッキーなパスセンスやリバウンド力を持ち関西選抜にも選ばれた主将神谷(金光籐蔭高・4年)が攻防において絶対的な力を発揮する。また高い身体能力でチームを盛り立てる荒巻(大塚高・3年)、アシスト能力に長けた山田(大塚高・2年)らが加わり展開されるオフェンスは、一度波に乗ると止められない。混戦が予想される2部において台風の目になる可能性があり、目が離せない。
 新ヘッドコーチの下、着実に力をつけてきている龍谷大学。非凡なシュート力を武器にチームの得点源となる岩田(鳥羽高・4年)、スクリーンプレイからの合わせが上手く、マルチなプレイを見せる山川(片桐高・4年)など、チーム力を活かして戦う。強豪揃いの2部リーグでいかにしてチームを盛り上げ、実力を発揮し続けるかが上位進出の鍵を握っている。

3部Aリーグ

 山内を中心に安定したゲーム運びを見せる関西外国語大学、ランニングゲームで速い展開に持ち込むびわこ成蹊スポーツ大学など実力の確かなチームが争う3部Aリーグ。どのチームが混戦を勝ち抜き、栄光を掴むことが出来るか目が離せない。 

3部Bリーグ
 今年度実力を存分に発揮している大阪工業大学、関西学生で好成績を残した大阪経済法科大学などを擁する3部Bリーグ。激戦の中着実に勝ち星を増やすことが出来るチームはどこか。

4部Aリーグ
 他のチームに比べ長身選手を多く抱える帝塚山大学と和歌山大学。高さを活かした攻防でリーグを制することが出来るのか、それとも新たな対抗チームが現れるのか、熱戦に注目したい。

4部Bリーグ
 関西学生を棄権するなど、未だに実力をベールに包んだままの大阪大学外国語学部。リーグでは上位としての力を発揮してくれるのか、それとも他のチームによる下克上が起こるのか、波乱に期待したい。

5部Aリーグ
 
昨年の戦力が多く残る関西福祉大学。リーグでの経験を活かして安定した戦いを見せてくれることだろう。また京都精華大学も関西学生で勝利を収めるなど実力をつけてきており、リーグ制覇を目論んでいる。

5部Bリーグ
 
 5部Bリーグは戦力の均衡が予想される。そんな中、関西学生で唯一勝利を挙げている大阪人間科学大学が勢いをそのままにリーグでも実力を見せてくれるのか。一戦一戦白熱した試合が繰り広げられる。

6部リーグ

 実力伯仲の6部リーグ。ロングスパンのリーグ戦の中、選手のコンディションを保ち安定した試合を繰り広げ、勝ち上がってくるチームはどこか
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