平成30年度関西学生バスケットボール選手権大会 展望

Aブロック

・大阪学院大学

関西選手権は大阪学院大学なしには語れない。そう言わせるほど関西選手権において好成績を残し続けている大院大は、トーナメントにおける短期決戦で最大限パフォーマンスを発揮してくれる。全てのプレーにおいて規格外の活躍を見せているオールラウンドなビッグマン・吉井裕鷹(2年・大阪学院大学)を軸に、ポストプレーを起点に要所で得点に絡みながら、堅実なディフェンスでチームには欠かせない存在である山中将輝(4年・生駒)、最終学年となり主将としてチームを率いる木下誠(4年・大阪学院大学)の新たな姿にも期待がかかる。今大会も最高のパフォーマンスを披露してくれるだろう。

 

・大阪産業大学

昨年度リーグ戦を文字通り『全員バスケ』で戦い抜いた大阪産業大学。チームの大黒柱にまで成長した力強いプレーで得点を重ねる大町佑介(3年・大阪桐蔭)、粘り強いディフェンスでチームを鼓舞する主将・伊藤貴信(4年・洛南)がチームを支え、要所でシュートを沈めるクラッチシューター小川亮平(4年・拓大紅陵)、ペネトレイトが武器の超攻撃的ガード西村勇樹(2年・大阪桐蔭)がチームのエンジンとなる。派手なタレントこそ擁していないが50人を超える大応援団と共に持ち前のチーム力で栄光を掴むことができるのか。大産大のチーム力に期待だ。

 

・京都産業大学

今年度の関西学生は『京都産業大学の一年』といえるだろう。昨年度のリーグ戦を制覇した主力メンバーは未だ健在で、身体能力抜群で見るたびに飛躍的な成長を続けるリンダーライアン雅輝(3年・尽誠学園)は、今シーズンでどんな姿に化けるか楽しみであり、3Pシュートを軸に得点を挙げる川口廉人(3年・尽誠学園)、よもや関西学生のエースにまで上り詰めた無類の強さを誇る1on1が持ち味の大庭岳輝(3年・洛南)の3人が形成する京産大BIG3はもちろん、着実に戦力として定着してきた永尾友弥(2年・初芝橋本)や、正統派PGの主将・高田颯斗(4年・洛南)も必見だ。新戦力の加入もあって京産大に大きな期待がかかるだけに、そのプレッシャーを跳ね除けて真の強さを証明することができるのか。

 

・同志社大学

1部リーグ降格という失意から、1年で復帰することに成功した同志社大学は、昨年度と変わらないメンバーで今大会に挑む。ハンドリングやパスだけでなく、ドライブ力を手に入れた村井大陸(4年・洛南)と、ペイントエリアで抜群の存在感を放つ田邉陸也(3年・洛南)のフィジカルツインズが織り成すコンビネーションに注目がかかり、もちろんチームを中核を担うスコアラー・下田忠至(4年・洛南)や古村健一(3年・北陸学院)に加え、タフネスな柳原功希(4年・近大附属)は健在だ。ここ数年、今大会では思うような結果を残すことができない同志社だが、上位校の牙城を崩すべく、挑戦が始まる。

 

 

B ブロック

・関西大学

今年度の関西大学ほど勝利に貪欲なチームはないだろう。司令塔で名を連ねるファンタジスタ・足立臣哉(3年・新田)と主将・森田雄次(4年・桜宮)のコンビが展開するオフェンスは相手チームからすると予想不可能であり、窪田充希(3年・大阪商業大学)、河野拓海(3年・如水館)、梶原聖大(4年・東福岡)がペイントエリアを支配する。昨年度、2部リーグ全勝優勝で掴んだチャレンジマッチにてインカレ出場を逃したものの、彼らは“1試合”の重みを身をもって体感した。その1試合の敗北は全て今年度の栄光を掴むための布石だったと証明してくれるだろう。

 

・神戸医療福祉大学

関西学生で最も勢いがあるのは神戸医療福祉大学だといって過言ではない。キレのあるドライブでコートを縦横無尽に駆け周る梅村和生(2年・東海大星翔)は、相手にとって脅威そのものであり、3Pシュートを軸に多角的なオフェンスを展開できるように成長した廣山雅尚(3年・長尾)はエースとしてチームを率いる。そして神医福の最大の持ち味は、そのディフェンス力にあるだろう。スモールラインナップながらも距離を詰めて組織で守るディフェンスから大量得点を記録することは至難の技だろう。今大会で彼らは強豪校に名を連ねることができるのか。

 

・甲南大学

昨年度から、下級生を中心に戦ってきた甲南大学はここが一つの大きな節目となるだろう。絶対的エースとしてここ数年チームを引っ張ってきたシューター藤井和月(3年・松江東)、昨シーズンではその類稀なディフェンス感覚を発揮し、スティールを量産した景山瑛登(2年・広島皆実)、闘志溢れるプレーでチームを鼓舞しつづけ、勝負強さも兼ねそろえる武田賢章(4年・加古川北)、チームを一つに束ね、抜群なドライブ力とパスセンスを持つ司令塔・岩﨑秀飛(4年・神戸村野工業)など、個性あふれる選手が数多く揃っている。ここ数年結果が出ず、足踏み状態の甲南大。悲願の上位進出となるのか、勝負の一年が始まる。

 

・天理大学

昨年度の今大会で、劇的な逆転ブザービーターでベスト4進出を手にした天理大学に佐々木隆成(4年・豊浦)が帰ってきた。昨年度は留学のため天理大のユニフォームに袖を通すことはなかったが、2年時には関西選抜に名を連ねるほどで実力は折り紙付きである。また2年生には天理大の将来を担う選手が多く在籍し、チームのPGである藤澤尚之(2年・東山)は持ち前のスピードと視野の広さでアシストを量産し、佐々木とのガードデュオは関西屈指であろう。インサイドには長身と器用さを兼ね備えたハイブリッドセンターの黄杲路(2年・岡山工業)がチームのゴール下を担う。エース復帰の天理大が2年連続でベスト4進出なるか、大きな期待がかかる。

 

 

Cブロック

・近畿大学

今年度の近畿大学はタレント揃いで、司令塔には正統派の五十嵐正也(3年・大宮北)、攻撃派の濱田貴流馬(3年・尽誠学園)でオフェンスにバリエーション生み出し、シューターには強靭な精神力で勝負強さを見せる榎田拓真(2年・延岡学園)、スコアラーには弾丸ドライブが光る濱高康明(4年・金沢市立工業)、目を見張る身体能力を持つ今村拓夢(3年・沼津中央)。そして長年苦しんだインサイドにはパトリック(1年・東山)が加入し、これだけの能力の高い選手たちが『近大バスケ』にコミットしたとき、今大会を席巻してくれること間違いなし。一体感をコンセプトにチームとしての力が試される。

 

・大阪商業大学

昨年悲願の2部リーグ昇格を果たした大阪商業大学。周囲の能力を引き出すアシストや要所で見せるドライブで相手を翻弄する杉信男(4年・清明学院)、鋭いドライブとジャンパーで得点を量産する茂刈皇希(4年・如水館)、そして持ち前のフィジカルを活かした多彩なインサイドプレイでチームを鼓舞するキャプテン田中翔大(4年・大商学園)の4年生がチームを引っ張る。そして山下輝(3年・大商学園)が勝負強い3Pシュートでチームに勢いをつけることによって、大商大からはいつも目が離せない。個人能力だけではない組織としての力を高めている大商大はきっと大きく躍進するだろう。

 

・大阪教育大学

昨年史上初の1部リーグ昇格を果たした大阪教育大学。主力であった4年生が抜けチームの変貌に注目が集まる。巧みなパスやアシストでオフェンスを牽引する司令塔、出口琢也(3年・尽誠学園)、強いフィジカルを生かし安定した得点力を持つ細川輝(2年・高松商業)、ガッツ溢れるリバウンドが魅力の西本大悟(2年・泉北)など下級生の活躍に注目だ。また、学生主体のチームを統括する主将・青木佑大(4年・泉北)は最上級生の意地を見せてくれるだろう。今年も大教大はジャイアントキリングを起こしてくれるのか。『全員バスケ』をモットーで上位進出を目指す。

 

・関西学院大学

近年、安定して上位に名を連ねる関西学院大学。やはり中心となるのは、昨年度リーグ戦の3P王に輝いた関学大の絶対的なエースシューターである中野司(4年・報徳学園)と関西屈指のスピードでコートを駆け抜ける古家凜(3年・九州学院)だろう。また、インサイドでは堅実なプレーでチームに貢献する松本峻典(2年・東山)、昨年度のリーグ戦から頭角を現した独特のリズムで外角シュートからドライブ、ポストプレーまでこなす坂本拓馬(3年・報徳学園)に注目だ。昨年までのチームの核が抜けた中で、主将の高山寛史(4年・小林)と副将の八角亮(4年・北陸)の最上級生がどれだけチームをまとめられるか。関西制覇に向かう関学大に目が離せない。

 

 

Dブロック

・流通科学大学

アウトサイドのシュート力で圧倒的な爆発力を披露し、関西学生を盛り上げてくれる流通科学大学。広いシュートレンジで高い得点力を持つ諏訪裕亮(3年・秋田工業)や、得意の3Pシュートで得点を量産する松浦慎哉(4年・広島商業)、得意のアウトサイドシュートだけではなく粘り強いリバウンドで相手を苦しめる主将・高田竜豪(4年・九州産業)と似たスタイルの選手が形成する驚異のトライアングルセットでチームを引っ張る。また、清水雄太(4年・神戸村野工業)と七田恭輔(4年・玄海)の低身長ガードコンボも流科大の見どころだ。クセ者揃いの流科大がダークホースとして虎視眈々と優勝を狙っている。

 

・立命館大学

昨年度のリーグ戦にて30年ぶりに2部リーグ降格となった立命館大学。高さを生かしたプレーで魅せるキャプテンの岡田卓也(4年・洛南)と繊細さと力強さを備えた中西琢斗(4年・福知山成美)の4年生コンビがインサイドを制する。昨年度、チームの攻撃の要として奮闘した松橋和希(2年・金沢市立工業)、安定したプレーでゲームをコントロールした坂本耕大(2年・佐賀東)、パワフルなドライブと高確率の3Pシュートでチームに勢いをもたらす大竹一雅(2年・尽誠学園)など下級生の台頭も目覚ましい。強豪復帰に向け、今までにないスタイルを確立しなければならないプレッシャーを跳ね除けることはできるのか。

 

・大阪経済大学

絶対的エースの卒業でチームスタイルの変更が予想される大阪経済大学。しかしエースが抜けたものの主力陣は健在で、コート上でチームを鼓舞する主将の牧谷朋紀(4年・育英)に加え、粘り強くリバウンドに飛び込む井福晋太郎(4年・大阪学院大学)、長身から繰り出すジャンプシュートが武器の戸部秀(3年・神戸科学技術)がインサイドを牽引する。そしてチームの未来を託されたのは昨年、ルーキーながらもスタメンに定着し時にはチームのスコアリーダーになるほどのオフェンス力を備えた井上敬翔(2年・育英)だ。若きエースはチームを勝利に導くことができるのか、新たな大経大の闘いが幕を開ける。

 

・大阪体育大学

昨年度、悲願のインカレ出場を果たした大阪体育大学。安定したプレーが持ち味の主将・草川涼輔(4年・瀬田工業)や、インサイドで抜群の存在感を見せつける伴駿毅(4年・鶴城丘)、得意のアウトサイドシュートに加えアグレッシブなドライブでどこからでも得点できる山田友哉(3年・駒大苫小牧)、激しいディフェンスで大体大に流れを引き寄せる生越陸也(3年・報徳学園)など昨年から試合に出ているメンバー達がさらに実力をつけてきている。さらに、藤本巧太(2年・育英)は多彩なドリブルワークと類稀なるパスセンスでオフェンスの起点となるだろう。新加入のルーキー達がどうチームに順応するのかが楽しみである。”全員バスケ”を掲げ大応援団と共に大体大の新たな挑戦が始まる。

 

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